形成外科 ～きずあと～
- 2021/05/14
- ↳ 傷・きずあと
形成外科は身体に生じた外見の不満足に対して、機能を正常に、より美しくすることで生活の質 “Quality of Life” の向上に貢献する診療科です。
老若男女様々な性別年齢の方々、頭の先から足先まで全身が診療の対象となり扱う疾患も多種多様です。
形成外科で扱う疾患や治療について今後こちらのブログで紹介していければと思います。
今回は怪我の跡、傷は治ったけどキズアトが目立ってしまった場合の手術治療についてです。
キズアトは一般的に直後、赤みのある硬い時期から時間が経つにつれて肌色～白色の成熟瘢痕と言われる傷跡に変化していきます。
成熟瘢痕になって目立たなくなれば良いのですが、傷が深かったり、縫合（キズを縫って閉じる）などの初期治療の内容によっては成熟瘢痕となっても目立つ傷跡が残ってしまう場合があります。
この方も顔に深い傷ができてしまい縫合処置を受けられました。
赤みや傷の硬い時期は過ぎましたが縫合糸の痕、傷の凹みが残り顔に大きなキズアトが残ってしまいました。
このような傷跡を消すことはできませんが、形成外科的な手技を用いて目立ちにくくすることは可能です。
外傷に対して縫合処置後。糸の痕、陥凹部に対してW形成術を用いて切除縫合。
❕治療方法：きず跡修正手術
❕効果：目立つ傷跡を切除、目立ちにくい傷跡になるように調整して傷を縫います。
❕合併症：出血、感染、創治癒遷延、肥厚性瘢痕、傷跡など
❕注意点：きず痕を消すのではなく目立ちにくくする方法です。手術部の抜糸、抜糸後のテープ固定など後療法が必要です。
❕手術費用目安：363,000円（自費治療）
関節や目、口などにかかるキズアトで動かしにくさなどを伴うひきつれ（瘢痕拘縮）があれば保険治療の対象になる事がありますが、見た目だけの改善目的であれば保険適応外になります。
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